野鼠新聞-NNS-

怪事件録(熊谷愛犬家殺人事件)

埼玉県熊谷市という街をご存知だろうか?埼玉県北部の中心都市で昔は大宮よりも栄えていた
駅前の繁華街はともかく、それ以外は典型的な田園風景が殆どの街である
そんな場所の非日常が今回取り上げる、熊谷愛犬家殺人事件だ
余談だが終戦直前の大空襲や関東大震災の時の朝鮮人虐殺、2015年9月頃のペルー人による殺人事件など他にも取り上げたい物事がある場所だ

まずは事件の概要を説明しよう、被害者は4人で全員が犬の殺処分用の薬で殺された
ただ、犯人は共犯者に「30人以上殺した」と言っていたことから行方不明扱いで見つかっていない被害者がこの事件とは別で居るのではないのかと言われている
(共犯者に対する脅しかもしれないが、実際に不可解な行方不明が他にもあるのだ)
30人以上ということが事実なら、津久井やまゆり園での殺人事件や津山事件と並ぶような殺人事件と言っていいだろう

犯人が残した言葉に「ボディを透明にする」というものがある
死体が見つからなければ自分は捕まらない
死体を細かく切断して、焼却して粉々にして透明人間にしてしまえばいいということだ
遺体なき殺人事件とも称される所以である

ここまででは何故愛犬家殺人事件なんだ?と思われるだろう
犯人夫婦はペットショップを経営していた、夫はシベリアン・ハスキーブームの火付け役などと持て囃され
一時は犬舎の前に車が並ぶほどだったという噂があるほどのやり手だった
だが、バブルの崩壊や新しく立てた犬舎の借金によってそんな夫婦の店は窮地に陥る

一人目の被害者

そんな夫婦だが、新たな商売を考えついた
子犬が産まれたら買い取るから犬の番を買わないか?と客に持ちかけ
いざ買い取る時になったら難癖をつけて安く買い叩こうと考えたのだ

客とトラブルになった、当たり前である
そう、トラブルになった客を殺害した

二人目・三人目の被害者

一人目の殺害に気付いた知人の暴力団員が殺人をバラすと脅し夫婦に対して金銭を揺すってきた
このままでは全財産を取られてしまうと危惧した夫婦は暴力団員とその付き人であった運転手を殺害した
夫婦は殺害後、遺体を解体する時に鼻歌や演歌交じりに解体してたという

四人目の被害者

息子がそのペットショップで働くことになり、度々ペットショップを訪れていた主婦に株主にならないかと持ちかけて出資金を搾取しようと考えた
だが、いずれ出資金の話なんて嘘だとバレてしまう…
殺してしまおう、そして実行した
(被害者と犯人は不倫をしていたようでその関係が面倒になったというのも動機のようである)

端を折って書いたが異常性が伝わっただろう
犯人の発言や事件内容、捜査の経緯、快楽殺人に近かったこと、4人以外の被害者が居る可能性など異常性が相当高い事件なのだ

そして、16年12月07日
オウム真理教関連事件や大震災によってかき消されてしまった怪事件を訪ねてきた…

さて、今回訪れたのは3箇所である
実際にペットを販売していたペットショップ「アフリカケンネル」
熊谷市にあった犬舎(2箇所)だ

実際に死体を解体していた群馬県片品村の通称「ポッポハウス」にも行きたかったが、現在は解体済みなことや場所が不明確なこと、お金と交通手段の問題もあり断念した
(ポッポハウスというのは旧国鉄から払い下げられた車両を住居に使っていたからそう呼ばれているようだ)

アフリカケンネル

八木橋というローカルなデパートが熊谷市にある、熊谷市民は全国にあると思っているという噂があるが真意は不明である
その、八木橋の麓にそのペットショップはあったようだ
辺りは平日の昼間の割に高校生やおばちゃんで賑わっていて少し繁華街の雰囲気があった
画像を見てもらえばわかると思うが既に解体されてしまったようで駐車場になっていた、ペットショップのあったことなど全くわからないが全盛期には恐らく繁盛していたのだろう
駐車場の写真なんて撮っても仕方ないからか、ここを取り上げるのは恐らくネット上だと初だと思われる
実際、ただの駐車場である

江南犬舎

ここもネット上で取り上げられるのは初であると思われる
現在では別の企業が使用しているようだ、ただ自分が訪れた際には人の気配が全く無かったことや落書きが目立つところを見ると
倉庫代わりとして使用しているのかもしれない
建物自体がログハウス風の作りになっていて、後述する万吉犬舎と何処と無く似ているような気がした
犬舎を改装して建物自体はそのまま使用しているのかもしれない
前述の犬舎の借金というのは、この江南犬舎によるものではないかと思われる
余談だが、バスに乗り遅れてしまい危うく数Km歩くはめになりそうだった

万吉犬舎

不謹慎だが、メインディッシュと言っていい場所だろう
ネット上でもこの事件を取り上げる時はこの建物の看板の話(後述する)が必ずと言っていいほど書かれるし、訪問する時もこの建物だけ取り上げられる事が殆どである
理由として
・建物がそのままの状態で廃墟となっていること
・殺人や犯人の事業がこの建物を拠点として行われていたこと
・アクセスが良いこと(熊谷駅や森林公園駅から10分ヘッドで走っているバスの停車場から徒歩5分程度)
こういったことが理由だろう、俺も最初はこの建物だけ訪れる予定でいた

江南犬舎からバスで訪れたのだが、辺りは本当に畑が広がっている感じで寒々とした感じがした
江南犬舎も田舎だったのだが、こちらの方が先入観もあってか少し心細かった
そんな場所を歩いて15分万吉犬舎に到着した


まず、目についたのは黄色く塗られた建物だ
ドアの上にある犬のステッカーが妙に生々しく感じた
目の前にはナンバーの入った車が止まっていて人の出入りがあるようだ


写真を撮っていたら急に犬の鳴き声が聞こえた、かなりビックリした
勿論、犬の幽霊でも野犬でもなく隣の民家で飼われている犬のようだったので何もなかった


防犯パトロール中…色褪せていて説得力が感じられないが徒歩5分位の所に駐在所があったので見回りくらいはしてるのだろう
夜中になると地元の不良どもが肝試しに侵入してるらしいし、廃墟マニアが不法侵入を堂々とネットに書き込んでいるのでこの看板の存在価値は殆ど無い気がする

道を挟んだ反対側は完全に資材置き場だが、ここも跡地のようだ
全盛期には犯人の乗る高級車がこれ見よがしに置いてあったようだが
現在では、みすぼらしいスポーツカーと軽自動車が仲良く並んでいた


このアングルは定番だろう
屋根の上に乗っかっている骨組みに「犬猫狼」と書かれていて「狼ってなんだろう?」と思った人がやってくるのを狙っていたという話が有名だからだ
有料道路から見えたので相当な集客効果があったようだ




訪ねた感想としては、興奮で心臓がバクバクいってる中でシャッターを落としていく感覚は正直癖になった
管理している人とエンカウントするんじゃないかとか、ここで事件があったのかとか色々な興奮が巻き起こっていた
不謹慎だが実際こう書くしか無いのだ
いつ取り壊されるかも分からないし、事件を調べてみて興味を持った人は是非一度訪れてみてほしい
※一部の写真に白っぽい部分がありますがレンズが原因のものです

機材 LeicaM4-P&Canon 50mm F1.8 フィルムLomo(ISO400)
(16/12/08)

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